動画編集
動画編集

タイアップ動画に数百万円の予算をかけた。
人気インフルエンサーを起用し、制作にも時間をかけた。
企画会議を重ね、商品の魅力を余すことなく伝える内容に仕上げた。
でも、公開後の再生数は期待を大きく下回った。
「インフルエンサーの選定を間違えたのか?」
「もっと有名な人を起用すべきだったのか?」
多くの企業がこう考える。
でも、実は問題はそこではない。
タイアップが失敗する最大の理由は企業側が広告として作りすぎることだ。
視聴者は、広告を見に来ているわけではない。いつものインフルエンサーの動画を見に来ている。
そこに明らかな広告が現れた瞬間、離脱する。
成功するタイアップは、「広告」ではなく「コンテンツ」として成立している。
この違いを理解しているかどうかで、タイアップの成否は決まる。
失敗するタイアップに共通する特徴を見ていこう。
企業側は商品の魅力をできるだけ多く伝えたいと思う。
機能、特徴、他社との違い、価格、キャンペーン情報。
伝えたいことは山ほどある。
でも視聴者はそれを求めていない。
たとえば、10分の動画のうち5分が商品説明だったらどうだろう?
視聴者はその5分間を耐えられない。途中で離脱する。
タイアップが失敗する企業の多くは、商品説明が長すぎる。
「この機能も伝えたい」「あのメッセージも入れたい」
企画会議で、どんどん要望が増えていく。
結果として動画は情報過多になる。
視聴者にとっては何が重要なのか分からない。
そして、インフルエンサーも困る。
企業の要望を全部盛り込もうとすると、自分らしい動画が作れなくなる。
いつもの語り口ではなく企業の原稿を読むような動画になってしまう。
視聴者はその違和感に気づく。そして離脱する。
企業側が細かく指示を出しすぎるとインフルエンサーの個性が消える。
「この表現は使わないでください」
「このトーンで話してください」
「この順番で説明してください」
こうした指示が増えるほど動画は企業の広告になっていく。
でも視聴者がそのインフルエンサーを見ているのは、その人の個性や語り口が好きだからだ。
その個性が消えた瞬間、視聴者は「いつもと違う」と感じる。そして離脱する。
企業側の視点ではタイアップ動画を見る人は「見込み客」だ。
だから「購入してほしい」「問い合わせてほしい」という意図が前面に出る。
でも視聴者の視点では彼らは「見込み客」ではない。ただの「動画を楽しみたい人」だ。
この視点のズレがタイアップを失敗させる。
視聴者は売り込まれたくない。楽しいコンテンツを見たいだけだ。
だから売り込みが強い動画は離脱される。
視聴者はいつ離脱するのか?
それは「これは広告」だと気づいた瞬間だ。
ではどんなときに「広告だ」と感じるのか?
視聴者はそのインフルエンサーの動画を何本も見ている。
だから「いつものパターン」を知っている。
いつもの語り口、いつもの編集、いつものテンポ。
でもタイアップ動画だけそれが変わる。
冒頭で「今日は○○社様の提供でお送りします」という定型文が入る。
語り口が丁寧になる。
商品を褒める言葉が並ぶ。
この瞬間視聴者は「ああ、これは広告だ」と気づく。
そして興味を失う。
企業側の「伝えたいこと」が前面に出ると、視聴者は違和感を覚える。
たとえば、こんなセリフ。
「この商品は、業界初の○○機能を搭載していて、従来品と比べて30%も効率がアップします」
これは企業が言いたいことだ。
でも、視聴者が知りたいことではない。
視聴者が知りたいのは、「それを使うと、自分の生活がどう変わるのか?」だ。
企業の言いたいことと視聴者の知りたいことはズレている。
このズレが大きいほど、視聴者は離脱する。
では、成功するタイアップは何が違うのか?
それはいつもの動画の延長に見えることだ。
視聴者が動画を見ていて「これはタイアップだ」と気づかない。
あるいは気づいても違和感がない。
なぜなら、いつものインフルエンサーがいつものトーンでいつものように話しているからだ。
そして商品は「主役」ではなく「脇役」として登場する。
たとえば、料理系インフルエンサーがいつものようにレシピを紹介する。
その中でたまたま使っている調理器具がタイアップ商品だ。
視聴者はレシピを見に来ている。
調理器具の広告を見に来ているわけではない。
でもレシピが役に立てば満足する。
そして「あの調理器具、便利そうだな」と思う。
これが成功するタイアップの形だ。
では、どうすれば「広告」ではなく「コンテンツ」として成立するタイアップを作れるのか?
5つのステップで解説する。
タイアップを設計するとき最初に問うべきは視聴者にとっての価値は何か?だ。
企業の言いたいことではなく、視聴者が得られるものは何か?
たとえば、美容系インフルエンサーとスキンケア商品のタイアップを考える。
企業側は「この商品の成分の素晴らしさを伝えたい」と思うかもしれない。
でも視聴者が知りたいのは「自分の肌悩みが解決するのか?」だ。
だから動画の設計は「肌悩みの解決方法を紹介する」が主軸になる。
その中で、商品が「解決手段のひとつ」として登場する。
視聴者にとっての価値が最優先。
商品の説明はその次だ。
インフルエンサーにはそれぞれの「らしさ」がある。
語り口、編集のテンポ、ユーモアのセンス、価値観。
視聴者はその「らしさ」を楽しみに動画を見ている。
だからタイアップでもその「らしさ」を守る必要がある。
企業側が細かく指示を出すのではなく、インフルエンサーに任せる。
「こういうメッセージを伝えたい」という方向性だけ共有してあとは自由に作ってもらう。
結果として視聴者にとって違和感のない動画が生まれる。
成功するタイアップでは商品は「主役」ではない。
視聴者の課題を解決する「手段」として登場する。
たとえば、ガジェット系インフルエンサーが「在宅ワークを快適にする方法」という動画を作る。
その中でタイアップ商品であるデスクライトが「目の疲れを減らす手段」として紹介される。
視聴者は、「在宅ワークを快適にしたい」という課題を持っている。
その解決策を知りたくて動画を見る。
そして解決策のひとつとしてデスクライトを知る。
これなら視聴者は「広告を見せられた…」とは感じない。「役に立つ情報を得た!」と感じる。
商品を主役にするのではなく視聴者の課題解決を主役にする。
これが成功するタイアップの設計だ。
企業側には言いたいことがたくさんある。
でもそれを全部詰め込んだら動画は破綻する。
だから、8割削る。
本当に伝えたいことは何か?1つか2つに絞る。
たとえば、新しいスマートフォンのタイアップなら、
「カメラ性能」「バッテリー持続時間」「処理速度」「デザイン」「価格」…伝えたいことは山ほどある。
でも全部伝えようとすると視聴者は混乱する。
だから1つに絞る。「カメラ性能」だけを伝える。そしてその1つを、視聴者の課題解決につなげる。
「夜景を綺麗に撮りたい人のために、このカメラがある」
これだけでいい。
企業の言いたいことを削ることは勇気がいる。でも削らなければ視聴者には何も伝わらない。
タイアップの成否を測る指標は、再生数ではない。
視聴維持率だ。
視聴維持率とは、動画を最後まで見た人の割合だ。
たとえば、10分の動画で平均視聴時間が8分なら視聴維持率は80%だ。
この数字が高いほど視聴者は動画を楽しんでいる。途中で離脱していない。
逆に、視聴維持率が30%ならほとんどの人が途中で離脱している。
タイアップが「広告」になっているかどうかは、視聴維持率を見れば分かる。
視聴維持率が高いタイアップは「コンテンツ」として成立している。
低いタイアップは、「広告」になっている。
だから、企画段階から「どうすれば最後まで見てもらえるか?」を最優先に考える。
商品説明を削る。企業の言いたいことを減らす。視聴者にとっての価値を増やす。
その結果、視聴維持率が上がる。
そして、視聴維持率が高い動画は、YouTubeのアルゴリズムにも評価される。結果として、再生数も伸びる。
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ここで実際にあったケースを比較してみよう。
どちらも同じ商品・同じインフルエンサーを使った案件だが、設計次第で結果が大きく変わった。
視聴者の多くは商品説明の途中で離脱した。
なぜなら視聴者は商品のスペックを聞きたいのではなく、
「それを使うとどうなるのか?」を知りたかったからだ。
同じ商品・同じインフルエンサーで設計を変えた。
視聴維持率が倍以上に上がった。
なぜなら視聴者は「自分の課題を解決する方法を知りたい」という動機で動画を見たからだ。
そして、商品は「解決手段のひとつ」として自然に登場した。
視聴者は、広告を見せられたとは感じなかった。
結果として、再生数もクリック数も大幅に改善した。
ここまで読んでこう思った人もいるだろう。
「商品説明を削ったら、商品の魅力が伝わらないのでは?」
確かにその懸念は分かる。でも逆に考えてほしい。
商品説明を詰め込んだ動画は、そもそも最後まで見られない。
視聴者が途中で離脱したらどれだけ詳しく説明しても伝わらない。
一方、視聴者が最後まで見てくれる動画なら、少ない情報でも確実に伝わる。
そして興味を持った人は、自分で調べる。
概要欄のリンクをクリックして、商品ページを見る。レビューを読む。詳しい情報を集める。
つまりタイアップ動画の役割はすべてを伝えることではない。
興味を持ってもらうことだ。
興味を持ってもらえれば、あとは視聴者が自分で動く。
だから伝えすぎる必要はない。
むしろ伝えすぎることの方が弊害が大きい。
成功するタイアップは教えるのではなく気づかせる設計になっている。
たとえば料理系インフルエンサーが調理器具のタイアップをする。
「この調理器具は、温度調節が正確で、焦げ付きにくく、お手入れも簡単です」と説明するのではなく、
実際に料理を作りながら、「あ、全然焦げない」「この温度調節、便利だな」とつぶやく。
視聴者はその様子を見て、「この調理器具、いいかもしれない」と自分で気づく。
教えられるより、自分で気づいた方が記憶に残る。
そして購入につながりやすい。
だから「気づかせる」設計の方が効果的だ。
多くの企業はタイアップを「広告枠を買うこと」だと思っている。
お金を払ってインフルエンサーの動画に商品を出してもらう。それで終わり。
でもそれは間違いだ。
タイアップは視聴者に価値を届けることだ。
視聴者が動画を見て「役に立った」「面白かった」「知らなかったことを知れた」と感じる。
そのついでに、商品を知ってもらう。
この順番が重要だ。
視聴者にとっての価値が先。商品の認知はその結果としてついてくる。
逆に商品の認知を最優先にすると、視聴者は離脱する。
そしてタイアップは失敗する。
私たちはクライアントにこう伝える。
「タイアップで一番大切なのは、視聴者を楽しませることです。商品を売ることではありません」
最初は多くのクライアントが戸惑う。
「でも、商品を売るためにやるんですよね?」と。
確かに最終的な目的は商品を売ることだ。
でもそのためにはまず、視聴者を楽しませる必要がある。
このプロセスを理解していれば、タイアップの設計は変わる。
「広告」を作るのではなく、「コンテンツ」を作る。
視聴者にとっての価値を最優先にする。その結果として、商品も売れる。
これが成功するタイアップの本質だ。
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